口腔ケア・口臭予防・口臭対策

口臭の原因はいろいろありますが、特に要介護者のひどい口臭には、主に次のようなことが考えられます。
自分で十分に歯磨きができず、食べかすが残りやすくなっているケース 手入れがきちんとできないために入れ歯やブリッジの部分に食べかすが残りやすくなっているケース
食べかすが歯垢となり、歯肉炎や歯周病を引き起こしているケース
顔の筋肉が弱くなって、だ液腺が刺激されないため、だ液が出にくくなっているケース
舌苔が多くあり、口腔に細菌ができて野菜の腐臭のような強烈な臭いを発生しているケース
舌ガン、口腔ガン、食道ガン、胃ガン等が原因の特有の口臭があるケース 呼吸器の病気が原因となっているケース
口臭を解消しようと市販の消臭用品を使う方も多いようです。消臭剤を効能により分類すると、臭いの元となる微生物を殺菌するもの、発生した臭いを分解して消臭するもの、香料等で臭いをカムフラージュするものがありますが、いずれも特効薬的な消臭効果はありません。
では、口臭のひどい要介護者のための特別な口腔ケアはあるのでしょうか? 残念ながら一瞬にして解決できるものはなく、日頃の「清掃」あるのみです。

特に脱着できる義歯を使っている方は、とりはずして専用ブラシで表面の歯垢や食べかすを取り除くことが必要です。
市販の義歯洗浄剤を使用するものよいですが、まずは機械的な清掃(ブラッシング等)が一番効果的です。
仮に口臭の原因が義歯にあったとしても、すぐに外しっぱなしにすることはおすすめできません。
なぜなら、ものをかめなくなって栄養状態が低下するうえに、「かむ」という感覚刺激がなくなることで認知症が進んでしまう場合もあるからです。
入れ歯をとりはずして清掃できないときは、くちびるや舌のマッサージをしてだ液腺を刺激し、自浄作用を高めて口臭を緩和させましょう。

介護をされている方はとても多忙です。そのため口腔ケアはどうしても後回しになりがちですが、気持ちよく介護するためにも、介護を受ける方の口臭を解消することは重要です。
口臭がひどい方には、歯科医師による診察を受け、歯科衛生士による専門的口腔ケアを定期的に受けることを勧めてください。